その売買ルールに実は確率的優位性がなかった。
これは非常に重要で、ルール自体に確率的優位性がなければ話になりません。
続けることで徐々に資産を減らしていくものになんの価値もなく、言い換えれば確率的優位性さえあれば、少し乱暴な言い方になりますが資産は殖えていくということになります。
具体的には、損益比が1対1の売買ルールであれば、勝率が50%を超えている事が必須となります。
ちなみに損益比が1対2の場合は33.4%以上という具合に。
では確率的優位性を持たないルールがなぜ生まれるのか、またなぜそれを信じてトレードを繰り返すのか。
その答えのひとつはその売買ルールのソースとなった相場環境が、長期的な視点から見た場合一般的なものではなかった場合に起こります。ある意味特殊な相場(期間)を参照したことによるのですが、この "特殊" や "一般的" のという言葉の定義づけが出来ないのも相場の特性です。最も単純で明快な解決方法は参照期間を延ばすことですが、これは確率的優位性を見出す作業や、少しでも向上させようとする作業とは拮抗する関係となります。
もうひとつは、そのソースとなった期間にパラメータをチューニングし過ぎることで起こり得ます。
これはカーブフィッティングと呼ばれるもので、前記期間に最大限のパフォーマンスを求めすぎたために、最も重要な事項であるはずのそのテクニカル指標自体の理解が歪曲し、そのパラメータの持つ特性を見失うことで起こります。
確率的優位性を保つためには、相場心理学に反することなく、常に『理にかなった』ものであるということが必要なのです。